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企ふるトレンド 「日本の30年後の姿」を希望に変え、「町のファン」をつくる〜鳥取県日南町〜

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「日本の30年後の姿」を希望に変え、「町のファン」をつくる〜鳥取県日南町〜

鳥取県 日南町

公開日 : 2026年2月10日 移住・定住、 環境保全、 農林水産業

取材者 宮森祐巳子 / 言の葉・ライター

日南町を訪問し、森の中で伐採体験をした寄附企業(広島建設株式会社・千葉県)の社員の皆さん

【画像】日南町を訪問し、森の中で伐採体験をした寄附企業(広島建設株式会社・千葉県)の社員の皆さん

面積の約9割を森林が占める鳥取県日南町は、(全国で最も人口の少ない)鳥取県の南西端に位置し、高齢化率は55.1%(2025年12月末)。日本全体が将来直面する過疎化・高齢化の最前線に立つこの町は、「日本の30年後の姿」として注目されています。2019年には、地域課題の解決に取り組み、持続可能なまちづくりを目指す姿勢が評価され、「自治体SDGs未来都市」に選定されました。
さらに、企業版ふるさと納税を通じた企業との強固なパートナーシップや、森林資源を核とした革新的な施策が全国的なモデルになると高く評価され、2025年度「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」を受賞しました。
今回は、この取り組みを牽引する日南町役場総務課財務室主任の川上知也さんにお話を伺いました。


森林を「行政コスト」から「経営資源」へ変える


日南町は、広大な面積(341㎢)に対して人口が約3,700人と極端に少ない中山間過疎地です。
「この現状を逆手に取り、『第一次産業を元気にする~SDGsにちなんチャレンジ2030~』という包括的な計画を掲げ、持続可能な地域づくりに邁進しています。その中核となるものが『SDGsによる持続可能な共生・協働の森整備事業プロジェクト』です。人材育成から雇用の創出、森林とふれあう木育(もくいく)推進、そして森林資源を活用した新たなビジネスモデルの構築まで、森林を維持・管理費のかかる『行政コスト』ではなく『経営資源』と捉え、民間の力と連携して課題解決に取り組んでいます」と語る川上さん。

町立林業学校「にちなん中国山地林業アカデミー」で実践的に学ぶ様子

【画像】町立林業学校「にちなん中国山地林業アカデミー」で実践的に学ぶ様子

全国唯一の町立「林業アカデミー」が育む森林人材


2019年に設立された「にちなん中国山地林業アカデミー」は、全国唯一の町立林業学校です。ここでは1年間で、伐採などの技術だけでなく、地域で働き続けるための心構えまでを実践的に学べます。特筆すべきは、卒業後の進路を町内に制限していない点です。
「日南町で学んだ技術や思いを日本各地で活かせるフォレストマネージャーになっていただきたいという考えで、開校当初から進路に制限は設けていません。それでも、これまでの卒業生59名のうち約3分の1が町内に定住・就業するという高い定着率を実現しており、新たな雇用創出と移住・定住の強力な拠点となっています」と川上さんは語ります。

町内で生まれた子どもに、町内産材の積み木に名前を入れて贈る『ウッドスタート事業』

【画像】町内で生まれた子どもに、町内産材の積み木に名前を入れて贈る『ウッドスタート事業』

Jクレジットと「木育」が創り出す、経済循環と関係人口


日南町は、森林整備による二酸化炭素吸収量を収益化する「Jクレジット制度」(2013年制度開始)において、全国トップクラスの販売件数を誇っています。この収益は森林整備に再投資されるだけでなく、子どもたちへの教育にも還元されます。
「2019年から、生まれた時に町内産材の積み木を贈る『ウッドスタート事業』に取り組み、算数の授業では木の体積を測るなどの森林教育『木育』を町内の小中学校の全学年で実施しています。また、『森と海は恋人である』といった表現もありますが、日南町は源流の森を守る町です。その下流にあたる米子市のこども園と連携をして、日南町でも活動してもらっています」と、川上さんは木育や関係人口創出の重要性を説きます。

2025年度「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」の表彰式にて。右が角井学副町長、左が黄川田仁志内閣府特命担当大臣

【画像】2025年度「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」の表彰式にて。右が角井学副町長、左が黄川田仁志内閣府特命担当大臣

企業の社内決裁を支える「見える化」戦略とスピード感のある対応


日南町が企業版ふるさと納税で大臣表彰を受けた背景には、迅速かつ柔軟な対応力と、同様の問題を抱えるほかの自治体にも横展開可能なスキームがあります。
「コンパクトな町ならではのフットワークの軽さを活かし、企業の公募事業への質問に対して3営業日以内に回答することで、熱意を伝えています。また、寄附を検討している企業の要望に応じてプロジェクトを用意するといった対応も柔軟に行っています。さらに、寄附の効果を『500万円で東京ドーム1個分の面積を森に変える』や『御社が年間で建てる戸数と同じ◯世帯分の二酸化炭素排出量をオフセットできる』といった具体的な数値で『見える化』し、企業の企業版ふるさと納税担当者が社内決裁を通しやすくなる資料を提供しています」と、川上さんは提案時のコツを語ります。

日南町役場総務課財務室主任の川上知也さん

【画像】日南町役場総務課財務室主任の川上知也さん

町のファンを増やす手段としての企業版ふるさと納税


最後に、川上さんは担当者としての想いを語ってくれました。「企業版ふるさと納税は『町のファン』を増やす手段だと考えています。寄附をきっかけに実際に町を訪れ、植樹やチェーンソー体験、西日本最大級のホタル観賞スポットなどを通じて、企業と町の間に継続的なパートナーシップを築くことが、過疎地の希望となります。毎年ご寄附いただき、社員研修を行ったり植樹した木の成長を見守ったりしてくださる企業もあり、協働できていることをうれしく思っています」。
日南町は、企業が地域の課題解決に参加し、ともに成長するためのプラットフォームとして企業版ふるさと納税を活用しています。日本の30年後の課題を先取りし、その解決策を民間とともに実証する日南町の挑戦は、地域と企業の新しい共生モデルを示しています。

語り手

日南町役場総務課財務室主任

川上知也さん

自治体

鳥取県 日南町

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